
この前。
実家に帰った時、戸棚の奥から引っ張り出して、
小学校の時の卒業文集を見た。
自分のところを読み返したのではない。
別のクラスだった、ある友人のところ。
小学校の頃、彼はどんなことを書いていたのだろう?
そう思って、すごく久しぶりに文集を開いてみた。
すると。
彼は「将来の夢」に、「サラリーマン」と書いていた。
そうか、彼はサラリーマンになりたかったんだ。
とても控えめな、彼らしい夢だった。
でも、残念なことに。
現実の彼は、サラリーマンにはなれなかった。
色々な事情があって、色々な曲折を経たけれど。
結局彼は、サラリーマンにはなれなかった。
そうして彼は、この前、亡くなってしまった。
夢は叶わないままに。
でもそこで、ふと気づく。
考えてみると。
僕は、彼の叶わなかった夢を、叶えている。
それは、とても素朴な夢だったけれど。
僕は、彼の叶わなかった夢を、叶えているのだ。
客観的な事実として。
自分の夢は、他の誰かが叶えてくれる。
そういうものなのかもしれない。
またそれは逆にいうと、
自分の夢は自分では叶えられない。
ということ。
だって、自分の夢を自分で実現してしまったら、
他人が存在している意義がなくなってしまうから。
自分の夢は、叶わない。
他の誰かが叶えてくれる。
そしてまた、
自分自身も、他の誰かの夢を叶えている。
知らず知らずのうちに。とても自然に。
そうして、結局のところ、
全ての「人」という存在を、全体で見ると、
全ての人の夢が、全て叶えられている。
この世界は、そんな風にできているのかもしれない。
きっとそのために、
たくさんの人が存在しているのかもしれない。
自分の夢は、他の誰かが叶えてくれる。
自分自身もまた、他の誰かの夢を叶えている。
ゆっくりと歩きながら、そんなことを思う。














