ぱっきりとした 春の切り絵を追いかける

砂の上から見守られて 今日という日が 山の向こうに沈むと 広がる オレンジの空 雲は じっとしながらも 慌ただしく その色を変え続ける まるで 生きているかのように 遠くから 微かに聞こえる あれは雷鳴

確実に 今日という１日が終わっていく 今日という日の最後のカケラは オレンジ色の やわらかいお餅みたいに見えた また明日

昨日のこと。 実相寺から岩本山公園へ登るハイキングコースで、 親子連れとすれ違う。 ふたりの子供を連れた、若いお父さんとお母さん。 小さな女の子は、もう歩き疲れたようで、 だっこしてと駄々をこねている。 それじゃあ、おんぶしてあげる、 と、優しい…

どれだけの光が海に溶け込むのだろう 朝の光と 夕暮れの光 朝の二人と 夕暮れの二人

確かに 何かが変わったのかもしれない 照らす光も 風の行方も

冬の波は滑らかで 透き通って見える 雲と 陽だまりと 降りそそぐ光 みんなそれぞれの場所で それぞれの波を見る それぞれの場所で それぞれの未来に向けて みんな きっと同じ 海へ行くのは遠くを見たいから

晴れた日曜の、お昼前。 ちょっと散歩しようかと、アパートを出て、 歩き出した、その時。 何か後ろで、バラバラと物音がしたかと思うと、 小さく丸いものがコロコロと転がって、 足元で止まる。 なんだろう。 きれいに透き通った、緑の玉。 まるでゼリーか…