ぼっこメモ

メモですから、ほんと。メモです。

さくらももこ展(静岡市美術館):「少女の絵」が語るもの(その1)


7月に入りまして。

ようやく落ち着いてきたので、先月のことを少しずつ書いていきたいと思います。

まずは、さくらももこさんのこと。

静岡市美術館で開かれている「さくらももこ展」で、とても印象に残ったことがあるのです。

 

 

正直に言いますと、この展覧会のことは、あまり期待していませんでした。

以前(もうかなり前ですが)、東京で「ちびまる子ちゃんの世界展」というのを見たことがありまして。

まあ、それと同じような感じだろうな、くらいに思っていたのです。

でも、そうではありませんでした。

 

この展覧会には、「ちびまる子ちゃん」を初めとした数々の作品群が、系列的に展示されていますが。
あくまでも、主眼は作者である、さくらももこさんに置かれています。

漫画やエッセイの他、さくらさんが作られた様々な小物なども通じて、「さくらももこ」という人物を立体的に浮かび上がらせるような展示になっていました。

 

 

会場に入ると、まずは「ちびまる子ちゃん」の世界です。

様々な名場面が原画で並び、ひとつひとつを読んでいくうちに、ぷっと吹き出したり、にんまり笑ったり。ぐーっと引き込まれます。

 

 

そこから、「神のちからっ子新聞」など、ちょっと不条理でナンセンスな、独特の「さくらももこ」ワールドへと続いていきます。

ひとつ感心したのは、そういったナンセンスな作品群は、展示が少し斜めになっているのです。
壁に掛けられた額が、微妙に傾いているんですね。

 

初め、あれ?これはズレちゃったのかな、なんて思ったのですが。

そうではなくて、あえて水平をずらして作品を展示することで、さくらさんの不条理でナンセンスな世界観を、展示全体で現しているんですね。

なるほどなーと思いました。

 

それから、もうひとつ。

とても良かったのが、小物の展示。特に、バッジです。

 

会場に、さくらさんがデザインして作られた、バッジを並べた展示ケースがあるのですが。
そのバッジが、もう素晴らしく可愛いのです。

別に、特別なキャラクターなどではありません。

とてもシンプルな、犬の顔だったり、ドクロマークだったり。

でもそれが、小さく丸いバッジになって、ちんまりと並んでいる様が、本当に可愛らしく。

もう、食い入るようにじーっと眺めていました。

「ああ、このバッジ欲しいなー」と、ため息をつきながら。

これは是非、ひとつひとつをじっくりと見て欲しいと思います。

 

 

さて、そんな風にひと通りの展示を回って、最後のコーナーに行きますと。

こはちょっと、それまでの作品群とは少し違った雰囲気になっています。

そして、この最後のエリアこそが、「さくらももこ」という人物を表す、とても大事な展示群なのです。

 

私はそこで、とても驚いたことがあるのですが。

ちょっと長くなってしまったので、またこの次に書きたいと思います。

 

(つづく)