無条件に涙が出てしまうもの。
それは、ことさんの笛。
彼女のメロディーは、どうしてこんなにも切なく胸を打つのか。
虫の音が涼やかに足元を照らす夏の夜。
力強く澄んだ笛の音が、暗い夜空に立ち昇って行く。
途切れることなく、ゆるやかに。
どこまでも、どこまでも。
人はあまりに力強いものの前では、
ただ言葉を失って立ち尽くし、涙することしか出来ないのだ。
ことさんの笛の音は、いつもそう思わせる。
あ、違った。
もう「こと」さんではない。「さら」さんだ。
秋吉沙羅さん。
「こと」さんであれ、「さら」さんであれ、
彼女の笛の音が、ただただ、好きだ。
2019年8月31日
夏をおくる