ピスコ工場があるのは、ラ・セレナから内陸へ1時間ほどドライブした山の中です。
取引先のマルコさんが運転してくださる車で、どんどん山の中へ入っていきます。
それにつれて、空がどんどんクリアに、青く晴れ渡っていきます。
ラ・セレナは海沿いの町なので、湿った海風が吹き、空は曇っていることが多いのですが。山の中に入ると、それが一変するのです。
くっきりと、どこまでも澄み渡った青い空に、奇妙な形の山々が連なっています。
ごつごつとした岩肌には、サボテンと、ちょぼちょぼとした草しか見えません。
なんとこの辺りは、一年でほんの数回しか雨が降らないのだそうです。
それでもたくましく生えるサボテンは、すごいですね。
この澄み切った空と、極端に雨が少ない乾燥した気候のために、この辺りは天体観測にとても適しているのだそうで。近くの山頂には、トロロという名前の天文台があります。(可愛い響きですね)
ドライブの途中で、あれがトロロだよ、とマルコさんが指し示す向こうの山頂には、確かに銀色で丸いドームのようなものが小さく見えました。
ただ、このトロロ天文台は、とても厳しく入場が制限されているとのこと。
見学できるのは限られた期間だけで、それも何ヶ月も前から予約しなければダメなのだそうです。
(なぜそんなに厳しく管理されているのでしょうね。なんだか怪しい・・・なんて思うのは考えすぎでしょうか)
そんな話を聞きながら山の中を走っているうちに、やがてマルコさんが、ちょっと不思議なことを言い出しました。