ぼっこメモ

メモですから、ほんと。メモです。

福島 ぬる湯温泉 旅館二階堂(3日目)茶トラ猫の目覚まし

 さて、次の朝。
 ニャーニャーと鳴く、猫の声で目が覚めました。

 ふと見ると、布団の上に茶トラが乗っています。
 そんな目で見つめられても…。

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 時計を見ると、まだ5時半です。眠い…。
 どうしたのでしょうか、こんな時間に。
 遊んで欲しいのでしょうか。

 仕方ない。
 布団に入ったまま腕を伸ばし、よーしよーしと撫でてあげます。
 ゴロゴロと喉を鳴らして、気持ちよさそうです。

 そうして茶トラを撫でていると、
 明るくなった窓の外から、ウグイスの声が聞こえてきました。

 ホーホケキョ

 またしばらくして、

 ホーホケキョ

 静まり返った朝の空気の中、爽やかに響くウグイスの声。
 布団の上では、茶トラがくるんと丸まって、
 やがて、すやすやと眠り始めました。

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 こんなにおだやかな朝を迎えたのは、
 生まれて初めてかもしれません。

 ウグイスの声に耳を傾け、
 茶トラのお腹が呼吸に合わせてゆるやかに動くのを、ぼんやりと眺めていると、
 世界はあまりにも平和です。
  
 ああ、なんておだやかな朝。
 なんて幸せな時間。

 ぬる湯温泉、旅館二階堂。
 ここに来てよかった。本当によかった。
 心からそう思いました。

 

 幸せな時間は、あっという間に流れ、
 気がつけば7時。

 そろそろ歯を磨かなくては。
 7時半から朝食ですからね。

 おーい。
 悪いけど、もう起きるよ。

 ぽんぽん、と叩いて茶トラを起こします。
 茶トラは、うーんと体を伸ばし、布団から降りてくれました。
 やれやれ、これで私も布団から出れます。

 布団から降りた茶トラは、部屋の中をぐるりと回り、
 廊下へ出るかなと思ったら、そうでもなく。

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 窓のそばへ行ってニャーニャー鳴いています。
 試しに窓を開けてみると、ぴょんと庭へ降りて行きました。
 朝の散歩に出かけるのかな。

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 私は洗面所へ行って歯を磨き、食堂で朝食をいただきました。  

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 写真の真ん中ほどにある、白い小皿はドレッシングです。
 これが別皿になっているところに、心づかいを感じますね。
 きっと、ドレッシングを使わないお客様もいらっしゃるからなのでしょう。

 

 そして、朝食の後は、また外へ。
 朝の散歩で、木々の緑を感じます。   

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 散歩を終えて、部屋に戻ってぼーっとしていると、
 なんと再び、廊下から猫の鳴き声が…。
 茶トラが部屋に入ってきました。

 茶トラも散歩を終えて、戻ってきたのでしょうか。
 こたつ布団を持ち上げると、するすると中へ入って行きました。

 そうして、こたつに入る茶トラを見届けた後、
 私は朝湯へと向かったのでした。

 部屋を出て、浴室へ向かう途中の廊下で、
 窓の脇に、葉っぱが一枚落ちていました。
 なんとなくいい感じです。   

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 浴室へと歩いていく途中で、女将さんとすれ違いました。

 女将さんは、「あら」という感じで立ち止まり、
 「今、お部屋へ行くところだったんです。お茶とお湯の交換です」
 と言いました。

 見ると、手にポットとお盆を持っています。

 「ああ、そうなんですね、ありがとうございます」
 私は答えました。
 考えてみると、昨日はお茶を飲んでいません。
 それで、お湯ポットの交換だけお願いしました。

 女将さんは、わかりました、と答えた後、
 手に持ったお盆を示しました。
 「これ、おやつにお饅頭も置いときますから」

 見るとお盆の上には、おいしそうなお饅頭がありました。
 うれしいですね。

 なんだかウキウキしながら朝湯へと向かったのでした。