ぼっこメモ

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福島 ぬる湯温泉 旅館二階堂(3日目)つれづれノート、雨の日の猫はとことん眠い

 部屋でこたつに入ったまま、持ってきた文庫本を読んでいたら、
 ちょうど温泉の話が出てきました。

 銀色夏生さんの「つれづれノート39」(角川文庫)。

 このページです。

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 「温泉は地球ダシのお吸い物」という表現が面白いですね。
 ここ、ぬる湯温泉のお湯に感じられる酸味も、地球ダシのひとつかもしれません。

 

 銀色夏生さんの「つれづれノート」には、色んな温泉が出てきます。

 その中でも印象的でよく登場するのが、新潟にある、ぬる湯の温泉で。

 銀色さんは「瞑想温泉」という愛称を使って書かれているのですが。

 それはきっと、貝掛温泉だろうと思うのです。

 

 実は、貝掛温泉というのも、目に効くことで有名な温泉だそうで。

 私が今回、ものもらいを治そうと思って、効能のある温泉を調べた時に、

 初めは貝掛温泉に行くつもりだったのです。

 

 でも貝掛は、ちょっと高級な感じで、値段もお高いのですね…。

 それで調べているうちにだんだん気が変わり、最終的にはここ、

 福島のぬる湯温泉に来たのでした。

 こちらは、本当に昔ながらの、素朴な湯治宿ですので。

 でも、いつか貝掛温泉にも行ってみたいなと思います。

 

 5時半になりました。

 そろそろ夕食の時間だなあ、と思っていたら、

 茶トラがのっそり、こたつから出てきました。

 お目覚めのようです。

 

 茶トラは、うーん、と体を伸ばし、丹念に毛づくろいをすると、

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 戸の隙間から、するりと廊下へ出て行きました。

 どこかへお出かけのようです。

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 一方、布団の上では、まだ黒がぐっすりと寝ています。

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 そろそろ6時半が近づいてきました。夕食の時間です。

 黒ももうすぐ眼を覚ますのかな。

 なにしろ、昨日もその前の日も、私が夕食の後で外をぶらぶら散歩すると、

 必ず黒がいましたからね。

 きっとその時間に外で遊ぶのが、この黒猫の、

 毎日の生活パターンに違いありません。

 だから、もうすぐ目を覚ますはず。

 

 ぐっすりと眠り込んでいる黒を見ているうちに、

 「雨の日の猫はとことん眠い」という本のことを思い出しました。

 昔、そんなタイトルの本があったのです。

 私がまだ十代の頃、もう何十年も前のことですが。

 いろんな動物の習性について解説した、読み物でした。

 

 ちなみにタイトルの「雨の日の猫はとことん眠い」というのは、猫の習性です。

 猫という動物は、雨の日になると体の代謝活動が低下して、

 眠くなるようになっているのだそうです。

 もともと野生動物だった時に、雨の日には獲物を捕ることもできないので。

 そういう時は眠くなり、動かなくなることで、

 体のエネルギーロスを抑えるようになっているのだ、と。そういう話でした。

 といっても、私は別に、この本を読んだわけではないのですけどね。

 確か新聞広告で見たのです。

 でも、妙に印象に残るタイトルで、未だに時々思い出します。

 雨の日の猫はとことん眠い、と。

 

 それにしても、この黒猫はいつまで眠り続けるのだろう。

 今日は別に、雨でもないのですがね。

 そんなことを思っているうちに、廊下に女将さんがやって来ました。

 夕食の時間です。

 私は黒を部屋に残して立ち上がり、はーい、と返事をして食堂へ向かいました。